 |
特殊メイクの代表的な技術にアプライエンスメイクがあります。立体的に造型された人工皮膚(アプライエンス)を役者の皮膚に接着して顔や体のカタチを変えてしまうメイキャップ技術です。
人工皮膚が役者の皮膚に密着して動くので、役者の表情の変化を実際には存在しないキャラクターで表現できます。老人のしわをアプライエンスでつくるメイクや、架空のキャラクターや生物に、人間のような表情や生命感を与えることのできるのは、アプライエンスメイクならではの表現でしょう。
そしてそのメイクを成功させるのに重要になるのが、アプライエンスで表現するデザインのセンスとそれをカタチにする造型力、アプライエンスに使われる素材に対する知識です。
|
●アプライエンスを役者さんの顔にフィットさせるように作るために役者さんの顔型(ライフマスク)をとります。型取りのため顔に塗り付ける素材は、"アルジネイト"と言って、歯医者さんが歯を型取る時に使う物と同じです。ですから、皮膚に対しても安全です。もちろん、呼吸できるように穴も開けています。
●そうして出来た顔型の上に、目的とするデザインにそって彫刻をしていきます。この粘土彫刻の部分が、後に人工皮膚素材に置き換わってアプライエンスとなります。粘土彫刻は、メイクの出来を決定付ける重要な作業です。
●彫刻完成後、さらにそれを型取ります。型取った粘土を取り除くと役者さんの顔型と合わせて2つの型が出来ます。それらをあわせて、2つの型の隙間(粘土分の隙間)に皮膚素材を流し込んでアプライエンスが出来上がります。
●出来たアプライエンスに着色を施してから、皮膚用の接着剤で役者さんの顔に貼り付けます。アプライエンスがズレないように少しづつ慎重に貼っていくので、顔全体のメイクで、簡単なものでも2時間以上は、かかってしまいます。役者さんは、その間じっとしていなくてはなりません。
●貼り終えたら、さらに着色して、役者さんの皮膚とアプライエンスを馴染ませメイクを仕上げます。
実際には、もっと細かな行程があり、非常に技術を要する作業です。 |
|
|
|